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◆2018年2月


 皆さん、いかがお過ごしでしょうか。あっという間に一月も去り二月になりました。

お陰様で大阪松竹座『新春特別舞踊公演』連日大入りの内に千穐楽を迎える事が出来ました。本当に有難うございました。皆様に改めて御礼申し上げます。平成26年に中村七之助さんとお正月を松竹座で開けさせていただいた時もほとんど完売で終わらせて頂きましたが、今回もまた、そのような状態で千穐楽を迎えさせて頂いた事は本当に役者冥利に尽きるありがたい事だと思っております。前回は、口上が付かずに、「お染七役」の道行の最後に「お六」で出て御挨拶させて頂きました。今回は口上を付けさせていただき、その後に『元禄花見踊』そして『秋の色種』では二人で琴を弾くという演出をさせて頂きました。また、中村壱太郎さんも本公演では初めての「鷺娘」でした。舞台稽古の頃は緊張なさっていらっしゃいましたが、初日が開いてからはすっかり慣れてきて踊っておられたようです。私もなんとか無事にこの三題を踊り終えてホッとしているところでございます。今年の冬は大変冷え込みが強くて大阪でも雪がちらついた時もありました。この二月、襲名興行で久しぶりの片岡仁左衛門さんとの『七段目』のお軽をさせて頂きます。二月襲名興行の『芝居前』茶屋女房、それから『七段目』お軽を一生懸命務めさせた頂きたと思っております。

 ちょっと話が外れるのですが、この暮れからお正月の間で、ちょっと時間がありましてウインドウショッピングをしておりました。前にも書いたことがあると思うのですが、ブランドのお店に入っていくと店員さんがすぐに寄って来て色んな品物を説明してくれるのです。実は少なくとも、お店の中を15分から20分はゆっくり見て、欲しいものがあったら「店員さんにこちらから声を掛けて買い物をしたいものだなあ・・・」といつも思っているのです。どこに行っても日本では店内を十分に見る事が出来ません。

 去年の春にニューヨークからイタリアと回ったのですが、ニューヨークで買い物をした時も、こちらから何か品物に手を付けたり、何か買いたいという意思を表さなければ、向こうが声を掛けて来なかったという事が嬉しくて沢山買い物をしたのです。もちろんイタリアでの買い物も当然のことです。2012年にベネチアの「ゼニア」に行った時に、店員さんがお客様の対応だけしていて、店に入っても「ボンジョールノ」と言うだけで、こちらが何か欲しいという事を言わなければ、そばに寄って来て細々説明しなかったという事が印象に残っています。去年のイタリアでの買い物もそうでした。ヴェネチアなどに行ってブランド店でない「セレクトショップ」や、自分の小さなお店独特のものを揃えている素敵なおばちゃん達がいるお店などでも、自分達がお店に入って行った時に、ちらっと見て「ボンジュールノ」と言った後は黙って座っていてくれるのでした。そして「あれが欲しいんだけれど・・・」と言うと、出てきて対応してくれて、もう少し話ししていると奥からもっと良いものを持ってくるというような事で、とても楽しいショッピングが出来たのです。そういう買い物が日本では出来ないというのも本当に残念に思っているのです。それが日本の応対なのでしょうが、世界の独特の対応もあるのです。日本は親切すぎるところもあるのではないかなという気もしています。くだらない事を申しました。

 二月、三月と歌舞伎座の舞台が続きます。その後は「越路吹雪さんを歌う」というコンサートにも向かっていくわけでございます。 どうぞ皆様お身体大事にお過ごし下さいませ。

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