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2023年 9月


 9月に入りました。皆様いかがお過ごしでしょうか。8月は本当に暑い日が続きました。京都南座8月公演「怪談牡丹燈篭」公演中は、ほとんどホテルと劇場の往復だけでした。南座の屋上に有ります弁天様にお参りをする時は屋上に熱気がこもっていてとても熱く、また往復の車に乗る時に外の空気に触れますと、ほとんどサウナに入ったような気分でした。しかし大勢のお客様に南座へお越しいただきまして本当に嬉しく思ったこの8月でした。7月の22日と23日は同じく南座でコンサートを開催させていただきましたし「夏のひととき」という春風亭小朝さんとの会を7月29日、30日と続けて開催させて頂きました。一カ月以上京都の滞在の中16日には「大文字焼き」も見ることができました。20歳代の京都公演中に大文字焼きの日にはお客様が来てくださるかどうかと心配していた花形歌舞伎の頃が懐かしく思い出された京都の夏でもありました。話は変わりますが、京都滞在中に録画をしておりました「ソングス」という番組を見ました。韓流のアイドルグループの「セブンティーン」という13人の歌手たちの番組でした。彼らを見ていますと、十代から寮に入って修行をして、歌と踊りの練習も十分にしている様子でした。番組では自作自演の歌、踊り、そしてそれぞれが自分の担当するところで精一杯力を尽くして活動しているということに私はとても興味深く見ていました。このグループのことは詳しくは知らなかったのですが、私は色々な意味で感心もしておりました。まずお客様に対応する言葉遣い。またテレビの司会者に対する気遣い。その姿勢に本当に学ぶところがあると思いました。話題も「仲間落ち」しているようで、実は「仲間落ちしていない話題」でもあり、韓流グループの厳しい教育の賜物だと思ったのです。その中でそれぞれのお客様に対するアピールポーズというのがありまして「セクシーでごめん」というシーンがあったのですが、その後で彼らが「本当に恥ずかしいです」と言う日本語を使っていました。日本語を勉強している彼らの努力の道筋を知ることも出来ました。そしてまたお客様のことを「キャラット」というのだそうです。自分たちが一生懸命素晴らしい舞台を務めれば見て下さるお客様が「ダイヤモンドのように輝く」ということでした。お互いが輝くということで「キャラット」というのだそうです。こういう考え方は私たちも見習わなければならないなと思ったのです。日本には有名な「お客様は神様です」と言う言葉もありますが本当に彼らの対応能力というものにつくづく感心させられました。

 その後「ブルースリーの十枚の写真」というドキュメンタリーがありまして、十枚の写真を辿りながらブルースリーがどうやってハリウッドで活躍出来たのか、あるいは中国でどうやって活躍したかという内容でした。ここでは詳しく申し上げられませんが、感動のドキュメンタリーでした。それにしてもあの「愛らしい顔つきと強靭な肉体」でもありながら人に愛される彼の人格を改めて感じたのでした。

 これからわたくしは9月のバルームの公演に向かってお稽古をしてまいります。そして10月の松竹座公演「星降る夜に出かけよう」。そして同じく10月7日に初日を迎えます御園座の片岡仁左衛門さんとの「東海道四谷怪談」に向かってお稽古をしていくのでございます。残暑厳しい折から皆様がお元気でお過ごしくださいますことをお祈り申し上げます。バルーム、そして御園座でお待ち申し上げております。

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