◆2022年4月


 皆様お元気でいらっしゃいますか。いよいよ春本番となりました。今年3月末の桜の開花は早まると予想されたり、遅くなると言われたりしていました。例年よりは5日前後早くなった開花でしたが、ほぼ予定通りに咲きました。開花宣言された明くる日は大変寒くなって桜もびっくりしたことと思います。しかしこの桜の季節は特別なものです。そして歌舞伎の舞台と桜は切り離すことができません。今は歌舞伎座の舞台稽古をやっておりまして、2日から初日を開け「ぢいさんばあさん」上演させていただきます。3月には、仁左衛門兄さんが体調を崩されまして大変心配しておりましたが、3月の半ばから復帰なさって4月は「伊織」は演じることが出来るようになり、とても安心いたしました。そして3月末には仁左衛門兄さんとの「四谷怪談」がNHKで放送されました。私は「じいさんばあさん」の「るん」と「お祭り」の芸者で出演させていただきます。この「お祭り」は福之助君、歌之助君との3人だけで踊る舞台となり、当代の藤間宗家にお振りを付けて頂きました。13年振りの「ぢいさんばあさん」ですが、仁左衛門さんとは(いつ出来るかなあ・・・)と想っておりましたが、新装開場されましたこの歌舞伎座では初めての上演となります。若い時は後半の役柄を作ることが大切でしたが、今となりますと後半は実年齢に近くなるので、前半をどのように清々しく演じるかが問題になります。

 3月は地震や風雨の具合で電力が不足して、家庭の電気などのインフラが一時止まることがありました。お陰様で私の住んでおります地域はそのようなことはありませんでしたが、私が常々思っておりますことは、もっともっと真夜中の街の明かりを消すべきだと思っているのです。生活に必要の無い電力を日本は使い過ぎている気がします。日ごろから節電していれば住民の方々に不便をかけることはなく過ごせるのではないかとつくづく思うのです。環境問題に関する取り組みは、建て前としては唱えられておりますが、実際には、なかなか実行できないものだと思っています。海外から飛行機で帰国する際、上空から日本を見下ろしますと、明かりが沢山付いていまして、日本が一番明るい国なのではないかという気がします。特にヨーロッパ等の照明は、雰囲気を大事にしている気がします。また毎日ゴミが沢山出ていく生活、沢山の郵便物や、テイクアウトなどで出るプラスティックやビニールがどんどん廃棄されます。もちろんゴミの分別はしっかりとやっていますが、これがどういう形で再生できているのかなあ・・・という不安に駆られるのです。再生するという事は大切ですが、すでに海や森などから目に見えないまま放置された汚染物を回収していく研究がなされていくのではないかなという気もしているのです。世の中もなかなか落ち着いて参りませんが、人々がこの生活に段々慣れてきて、買い物をしたり、劇場に行って楽しむこともあり、という生活が戻りつつあります。私は与えられた舞台を一生懸命務めることが一番大事と考えています。

 5月は「八千代座30周年記念公演」で山鹿の方に行かせていただきます。初旬には京丹後にも伺わせていただきますし、また御園座で前半に「あなたへ歌を」というコンサート開催させていただき、後半には舞踊会も開催させて頂きます。4月は素晴らしい季節ですが、5月初夏の素晴らしさも待ち遠しいです。5月のコメントは歌舞伎座に通っておりますだけですので、たいした御報告も出来ないと思いますが、皆様、桜や八重桜の花々が咲き乱れるこの4月をお楽しみいただき、素晴らしい時をお過ごし下さいませ。それでは皆様劇場でお待ち申し上げております。