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◇2019年3月

皆様いかがお過ごしでいらっしゃいますか。私は南座で舞台稽古を行い、2日に初日を迎えようとしているところでございます。今月は久し振りに1ヵ月間の特別公演でございます。「阿古屋」、「太刀盗人」、「傾城雪吉原」と3つの演目を上演させていただきます。私は去年の12月に歌舞伎座で上演させていただきました2つの演目でございます。体力的にも大変でもありますが、出来る限り充実した舞台お届けすることが大切と思っております。特に、この度は坂東彦三郎さん、坂東亀蔵さんともご一緒ですので新鮮な「阿古屋」をご披露できますように、皆で精一杯務めさせていただきます。3月は素晴らしい京都で過ごし、末にはいよいよ暖かくなり、花々が咲く本格的な春を迎えることになります。皆様どうぞ南座の公演と共に、京都の素晴らしさをお楽しみくださいませ。

 先月は2月歌舞伎座で初代尾上辰之助さんの「三十三回忌追善」ということでございました。同世代の俳優さんの三十三回忌を迎えますことは、何か切なく寂しい思いもございましたが、当代の尾上松緑さんが立派にお継ぎになられ、そしてご子息の尾上左近さんも成長され、「當年祝春駒」で「曽我五郎」を一生懸命務めているお姿を見ますと、時の移ろいというものを感じるのでございます。二代目松緑の叔父様、初代辰之助さんと、代々の流れを受け継ぐ尾上左近さんが、現実としてこの舞台で踊っているのだなあ・・・ということをひしひしと感じるひと月でございました。

 さて、今年は5月から「玉三郎・世界のうた」と題しましてコンサートを開催させていただきます。この1月、2月はテレビで色々なコンサ―ト番組を見て勉強をしていました。現代のテクノロジーを使った大きな劇場でのコンサートには数多くの素晴らしいものがありました。中でも「東方神起」と「セブンティーン」という韓流の若いスターたちの踊りの躍動感、そして立派に歌う素敵なショーには感激いたしました。特に「東方神起」の映像は大変に豪華で美しく出来ていると憧れの思いで見ていました。またセブンティーンの方たちがコンサートの途中でトークをされるのですが、日本語の翻訳者の声が入り、彼らもざっくりとした話しをしながらも、お客様への気遣いを感じる男らしい一面を感じました。そんなこともありまして、歌舞伎座から帰ってから色々な番組を拝見していると、様々な考えが頭の中を行きかい、興奮してしまってなかなか寝つけない日も多くあったのです。

 この南座公演が終わりますと大きな歌舞伎公演はしばらくお休みさせていただきます。

お陰様で日生劇場でのコンサートは、販売開始直後に完売間近となりまして、ご希望のお席がお取りできなかったお客様が大変多くいらっしゃったようでございます。

 皆様是非これから販売となります八千代座、南座、福井プラザのコンサートの方にも、お足をお運びくださいますようお願い申し上げます。

 まだまだ寒い日も続くと思います。桜が咲くのが待たれるこの3月、皆様どうぞお身体に気を付けてお健やかにお過ごしくださいませ。

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