坂東玉三郎 (ばんどう たまさぶろう)

1956年十四世守田勘弥の部屋子となる。翌年坂東喜の字を名乗り、「寺子屋」 の小太郎で初舞台。以後、「椿説弓張月」の白縫姫、「桜姫東文章」の桜姫など大役 を次々に演じ注目を集める。  
 1982年から3度のアメリカ公演をはじめ、パリ、ブラッセル、東ベルリン、ド レスデン、ウィーン、ロンドン、台北などで好評を博してきた。  
 舞踊家としての活動にも力を入れ、全国各地の劇場の他、熊本県の八千代座、愛知 県の呉服座(いずれも国重文指定)、愛媛県の内子座など地方の古い劇場でも公演を行い、玉三郎の活動のなかでも重要な柱となっている。また「坂東玉三郎舞踊集」VHS全 10巻(26演目、約11時間)、DVD全6巻(25演目、約9時間)が完結。35mmフィルムによる本格的映像作品と してその成果は期待されている。  
 1988年にはヨーヨー・マらの演奏によるラヴェルの「ピアノ三重奏曲」で創作 舞踊を上演。その後マとはバッハの「無伴奏チェロ組曲」を映像収録した「希望への 苦闘」でも共同作業を行った。同作品はリヨンで行われた「ダンススクリーン96」 でグランプリを受賞した。  
 同年11月には、モーリス・ベジャールの振り付けにより、パトリック・デュポン、 ジョルジュ・ドンらと共演、以後もバレエとの交流が続き、1994年5月には東京にて、ベジャールとの共演で「リヤ王~コーデリヤの死」を初演。  
 歌舞伎への出演に並行し、新派、「ナスターシャ」(演出 アンジェイ・ワイダ)、 「エリザベス」(演出 ヌリア・エスペル)などの翻訳劇、「サド侯爵夫人」など現代劇の舞台にも成果をあげている。  
 1986年の「ロミオとジュリエット」以降演出も手がけ、「なよたけ」、「黒蜥蜴」、「海神別荘」などの作品で実力派の演出家としての評価を得ている。  
 1991年には、「外科室」を初監督。続いて「夢の女」がベルリン映画祭の正式 出品作品となっている。1995年には、監督・主演作品の「天守物語」が話題となる。俳優としても、ワイダ監督「ナスターシャ」(映画版)、ダニエル・シュミット 監督「書かれた顔」などにも出演、世界各国で上映された。  
 1997年は年頭より「壇浦兜軍記」の阿古屋、「籠釣瓶花街酔醒」の八ツ橋など 女方としての大役を次々とこなす。また夏には、木下順次の「夕鶴」で山本安英以来 2人目の主役・つうを演じ、同作品は、11年ぶりの上演となった。

 2003年には和太鼓集団、鼓童の演出を2年間に渡り取り組み「鼓童ワン・アース・ツアースペシャル」として好評を博した。この模様はNHKハイビジョン放送により「鼓童meets玉三郎」として放送された。この後、鼓童とは2006年に「アマテラス」によりジョイントコンサートを開催。

 2005年に歌舞伎座にて収録された「鷺娘」「日高川入相花王」が、2006年にシネマ歌舞伎として各地にて上映。