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◆2022年12月


 皆様いかがお過ごしでいらっしゃいますか。師走になりました。師走とは「師も走る」という言葉から来たようです。

 11月はお陰様で毎日忙しい日々を過ごさせて頂いておりました。10月31日と11月1日の「十三代目市川團十郎白猿襲名披露記念公演」で「手打式」とその襲名に先駆けての「勧進帳」の「義経」を無事に務めることが出来まして本当に有難いと思いっております。台詞や動きも少ない「義経」なのですが、この年齢になって無事に務められるかどうかという心配もありましたが、幕が下りた時には『無事だったなぁ・・・』としみじみ感じた2日間でした。

 その後は「お話しと素踊りの会」をフェニーチェ堺、アルカスSASEBO、松山市民会館、岐阜国際会議場、琵琶湖ホールで開催させて頂きました。去年から続いておりますこの話「お話しと素踊りの会」では皆様に毎回どの様なお話をしようかなあ・・・と考えておりまして、各劇場では出来る限り違った話題をお届けするようにしておりました。地方に通う道中で、ふと考えたのですが、私はこれまで素晴らしい先輩や先生方、そして素晴らしい芸術家と出会などもあり、マルセル・プルーストの「失われた時を求めて」と言う有名な小説・・・私も「失われた時を求めて」と言う題名にしようかなぁ・・・などと考えていたのです。しかし今回の開催にはそういう副題がついておりませんので「鬘のお話しや、「お化粧のこと」、そして「衣裳のこと」など日々話題を変えてお話しをさせていただきました。

 その後は昨年から続いております「熱海MOA能楽堂」での舞踊会も無事に済まさせて頂きました。

そして12月22日からは「十三代目市川團十郎白猿襲名披露公演」では「口上」と「助六」の「白玉」を務めさせていただきました。私は1週間だけの「白玉」でしたが、12月の前半は「揚巻」、後半は助六の母の「満江」を務めさせていただきます。こうして襲名興行に列席させて頂きますことを大変幸せに思います。今月はひたすら「襲名興行」に専念しなければなりません。勿論この「襲名興行」は大成功だとは思いますが、私自身が無事に務められるかどうか・・・ということをいつも考えているのでございます。

 そして12月の後半には、来年1月の松竹座百年記念公演「幽玄」に向かっての準備が始まります。「幽玄」のお稽古も年末から年始の1月4日までは舞台でお稽古が出来ますので、5日から初日を迎えることになります。お正月の松竹座百年記念公演にお招きいただきましたことを嬉しく思います。精一杯進めさせて頂きます。

 この12月もあっという間に過ぎ去っていくのでございましょう。月日の流れはほんとに早いものでございます。この12月を無事に過ごし、またお正月の松竹座でお目にかかりたいと思います。

 それでは皆様お寒さの折からお身体お大事にお過ごし下さいませ。

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