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◇2019年1月


新年あけましておめでとうございます。

 今年は平成最後の年になります。次の年号がどのような名称になるかと今から期待しております。

 昨年は沢山の新しい作品を歌舞伎座で上演させていただきました。特に12月は「阿古屋」を中村梅枝さんと中村児太郎さんにお渡しすることができ、私にとりましては大変大きな喜びでございました。23年前に中村歌右衛門さんからお教えいただきました「阿古屋」を、図らずも成駒屋のお家の児太郎さんにお渡しするということ、また萬屋のお家の梅枝さんにお渡しするということが思わぬご縁だと感じるのでございます。夜の部の大喜利には新作歌舞伎舞踊「傾城雪吉原」を花柳寿謳先生にお振り付け頂きました。これまで数多くの舞踊を踊ってまいりましたが、何とか皆様に新しいものをお見せできればと近年強く思うのでございます。もちろん今までの古典舞踊も大事でございますが、自分の年代に合った新しいものをお見せできればとい思うのでございます。また10月は十八代目中村勘三郎さんの追善公演で中村七之助さんに「揚巻」をお写し致しました。これも色々な意味でのご縁ではないかと思います。

 今年の1月はお休みをいただきまして七之助さんに「吉田屋」の「夕霧」。そして児太郎さんに「鳴神」の「絶間姫」のお稽古をさせて頂きます。この「絶間姫」は以前尾上菊之助さんや七之助さんにお写ししました。私は12月公演中のため児太郎さんにお稽古を付けることができませんので、『菊之助さんや七之助さんからもお話を伺いなさい』と話しておりました。その後に「絶間姫」の仕上げをさせて頂きたいと思っております。

 さて、2月は歌舞伎座で辰之助さんの追善公演興行でございます。3月は京都南座の特別公演で皆様とお目にかかりますことを楽しみにしております。2月に上演いたします「美代吉」も本当に久しぶりのお芝居でございます。もう上演することがないと思っておりましたのが、当代の尾上松緑さんと上演することができますことを大変楽しみにしております。

 3月が終わりますと秋まで歌舞伎の舞台を離れることになります。もう暫くしますと今年の先の予定が出てまいりますので、その都度皆様にご報告させていただきまます。何卒ご来場いただきたくお願い申し上げる次第でございます。

皆様にとりましても本年も素晴らしい年になりますようにお祈り申し上げまして新年のご挨拶に代えさせていただきます。

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