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◆2018年4月


 皆様お元気でいらっしゃいますか。今年の桜は早く咲き始めました。2月末には満開になってそろそろ散り始めています。しかし桜の季節はいつも待ち遠しいものです。

 3月のコメントをゆっくり書く時間が無く、遅れてしまったこと本当に申し訳ございませんでした。

 さて、2月は高麗屋さん三代襲名披露公演も成功裏のうちに千秋楽を迎えられましたこと、本当におめでとうございます。2月には私も仁左衛門さんと8年振りの「七段目」で「お軽」を務めさせていただきました。そして3月公演でも「於染七役」で「土手のお六」と「神田祭」の「芸者」で仁左衛門さんとご一緒させていただきました。「於染七役」での二人は、若い時からご一緒させて頂いておりましたので、お稽古をしなくても自然と台詞が出てくるのでした。二番目には「神田祭」を踊らせていただきましたが、これも20年ほど前に初演しまして、そのままの振り付けで上演させていただきました。公演最中にも仁左衛門さんと色々とお話しもしながら、色々なことを懐かしみながら、大変に嬉しい2月と3月の公演でございました。また二カ月間、大勢のお客様にご来場頂きましたこと、誠にありがたく御礼申し上げる次第でございます。

 思い返しますと、仁左衛門さんと初めてお目にかかりましたのは、私が玉三郎を襲名致しました14歳の時でございました。その後17歳の時に、御園座の山本富士子さんの公演で、「春夏秋冬」という舞踊の「春の巻き」で、二人で「男雛女雛」を踊らせていただきましたのが舞台の上では初めてでした。それから約50年間にわたりご一緒してまいりました。私が20代には、6月の花形歌舞伎や、南座での若手歌舞伎公演で、御先代の仁左衛門さん、そのご子息の片岡我當さん、秀太郎さん、仁左衛門さん(当時の孝夫さん)とご一緒に様々な役柄を勉強させて頂いたことで、現在を迎えられているという実感があるのでございます。30代にはアメリカ公演やパリ公演で「桜姫」をやらせていただいたり、パリでは「かさね」を上演させていただいたり、本当に言葉では尽くせないほの思い出がございます。お父様の時代から、現在に至るまで舞台上では家族のような間柄でございます。

 さて4月8日の伊勢崎市民会館から始まります、宝塚OGの方々と「越路吹雪を歌う~愛の讃歌」のコンサートを開催させていただきます。4月12日にはNHKホールでの上演です。今はその準備に全力を尽くしております。昨年の3月28日に日生劇場で「越路吹雪三十七回忌特別追悼公演」に出演させていただきましたそのご縁で、今回のコンサートの運びとなりました。何せNHKホールや、大阪フィスティバルホールという、大きなホールから始まり、各地11か所というコンサートでございます。皆様何卒お誘いあわせの上ご来場くださいますようお願い申し上げます。私としましては若い頃から見てまいりました越路吹雪さんの歌った歌を宝塚OGの方々、また海宝直人さんとご一緒にコンサートで歌うことになるとは思ってもいませんでした。ご一緒するOGの方も越路さんの舞台を見た方は少ない現在です。私が越路さんや、岩谷さんのことを皆さまとお話し出来ることも大きな楽しみとなっております。

 今回のコンサートでは、ブルガリ様をはじめとして、エアウィーヴ様、和久傳様、オプス様、蘇州市と、それぞれの御協力頂きましたことまことに真に有り難く御礼申し上げます。このコンサートは群馬の伊勢崎市文化会でスタートしまして、その後各地に参りますが、大阪フェスティバルホールでは1990年以降に私は度々舞踊会を開催させていただきました。今回新しく立て直しをされましたフェスティバルホールの舞台に立たせていただくのも本当に嬉しいことの一つです。

 また5月には京丹後での舞踊会も控えております。色々な準備をしながら楽しく充実した日々を過ごさせていただきたいと思っております。春を迎え、急に暖かくなってまいりました。気候不順の折から、皆さま健康に留意なさって素晴らしい4月の日々をお過ごしくださいませ。

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