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◆2016年12月


 皆様お元気でいらっしゃいますか。

11月は、八千代座公演を終えた後、佐渡へ渡り鼓童の新作のお稽古を行ってまいりました。そして稽古が終わりましたらすぐ大阪へ移動しまして、クリスマスツリーの点灯式を行い、帰京しましたが、12月歌舞伎座のお稽古に入った為、コメントが遅れてしまいましたことをお詫び申し上げます。

 八千代座は26回目の公演でもあり、良い意味で変わらない山鹿の静けさというものを味わいました。大勢のお客様にご来場頂きまして本当に有難うございました。「元禄花見踊」と「秋の色種」を踊らせていただきましたが「元禄花見踊」は今年の9月に歌舞伎座で初演した出し物です。新作の「秋の色種」は思わぬ作品に出来上がりまして、振付をしていただきました花柳の御家元に感謝を申し上げる次第でございます。この作品はこれからも再演が出来ると思っております。

 来年の5月には特別な催し物を予定しております。そのため色々な先生方とお打ち合わせをさせていただき、まだまだ学ぶことが沢山あると思ったこの11月でした。

 今月は「二人椀久」と「京鹿子娘五人道成寺」に出させて頂いております。「二人椀久」はこれまで仁左衛門さんや海老蔵さんとやらせて頂きましたが、今回は初めて勘九郎さんとご一緒させていただきます。そして2幕の「京鹿子娘五人道成寺」は勘九郎さん、七之助さん、梅枝さん、児太郎さんと私の5人で白拍子花子を躍らせて頂きます。先代の勘三郎さんの元で小さい頃から踊りの稽古をされてきた勘九郎さんと七之助さんのお二人や、若い梅枝さんや、児太郎さんに私が助けられることもあると思います。まだまだ若い皆さんたちですから私に気を遣うこともあるでしょうが、ただただ舞台を精一杯務められるようにいたします。この「京鹿子娘五人道成寺」は「歌舞伎座の閉場式」の時に初演させていただいたものですが、皆様が再演をご希望されていると伺いまして、この度、新しい配役で演じさせて頂きましたが、正直なところ、初日の幕を無事開けましたらホッと致しました。5人の花子が出てくるなどと、不思議に思われる方もいらっしゃると思いますが、華やかに舞台を開けられたということが何よりも嬉しいことでございます。また中車さんが出演されます第二部の「吹雪峠」の演出をさせていただきました。

 そのような日々で、26日頃からは朝から晩まで稽古場に詰めている毎日でした。本当に時が経つのは早いもので、あっという間に今年も暮れを迎えるのでございます。色々な方からも来年のカレンダーが届きまして、『もうそろそろ来年のカレンダーにかけ替えるんだな…』と思う時期になりました。私の部屋から桜と紅葉と銀杏が見えるのですが、12月に入りましたら突然と赤や黄色の紅葉になっていました。

 また11月24日に雪が降るという突然の寒さがやってきた今年の暮れでございます。

皆様どうぞお風邪など召しませぬようにお身体大事になさってくださいませ。

それでは皆様12月、1月の歌舞伎座でお目に掛かりたいと思います。

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