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◆2022年11月



 皆様お元気でいらっしゃいますか。いよいよ寒さがやってくる11月になりました。10月公演は去年、今年と御園座さんに呼んでいただきましてお陰様で無事に千秋楽を迎えられました。連日大勢のお客様にご来場いただきまして誠に有難うございました。

 今年は「本朝廿四孝」の「御殿」と「奥庭」で14年振りの上演となりました。舞台稽古の際、久し振りでしたので体がなかなか思うように動かず心配をしておりましたが、何とか千秋楽を迎えることができました。10月は各座でも「公演中止」というニュースがほとんど無く、『いよいよ襲名公演に向かって行けるんだなぁ・・・』という思いがしたのです。

 10月の御園座公演中は、ホテルと劇場の往復だけで、名古屋の氏神様にお参りに行った以外は、ほとんど何処にも出かけずに過ごしておりました。と言いますのは三姫の中の「八重垣姫」は体力的にも大変だなということをつくづく感じたからでした。9月はお休みをいただいたわけですが。『やはり体を動かしてない事はその次の月の大役に響くなぁ』と考えさせられたこの10月でした。

 10月御園座公演が終わりまして、すぐに山鹿の方へ移動しまして、八千代座で「人間国宝の夕べ」という小さな会を開催しました。皆様にお話しをさせて頂いたり、勝国さんによる演奏と私は扮装して「阿古屋」の三曲のみを演奏するという公演でございました。今年の5月に「八千代座三十周年記念公演」は終わりましたが、「坂東玉三郎八千代座公演三十周年メモリアル写真集」の本が出版されたこともきっかけとなって今回の公演となったわけでございます。八千代座から帰りましたら直ぐ「十三代目市川團十郎白猿襲名披露記念 特別公演」で「手打式」と「勧進帳」の「義経」を務めさせていただきます。義経の装束が出来上り、御園座へ送ってもらいまして、自由に動けるかどうかを御園座終演後に稽古しておりました。この「勧進帳」が済みますとコロナ禍で見送りになっていた公演がこの11月になだれ込んで参りまして、地方を「お話しと素踊り」の会で廻ってまいります。

 そして11月22日から歌舞伎座にて「口上」と「助六由縁江戸桜」に「白玉」で出演させて頂きます。12月は「揚巻」ということでございましたので、「白玉」で少し体慣らしをさせていただきたいと考えましたのと、襲名というお祝いでもございますので「白玉」で出演させていただくということになりました。私が「揚巻」を演じます時には尾上菊之助さんが「白玉」を演じてくれるという華やかな舞台を務められることが大変嬉しゅうございます。

 この11月は歌舞伎座の襲名に先駆けての特別公演から地方を廻っての催し物、歌舞伎座の「白玉」、そして12月の支度にかかるわけでございます。12月はいよいよ「揚巻」ですので、どうなるか今から心配もしておりますが、精一杯努めたいと思っております。そして12月16日からは、助六の母「満江」を務めさせていただくことになります。この襲名が落ち着きましたら来年1月の松竹座の「幽玄」に向かってお稽古を始めていきたいと思います。

 10月から舞台が続いておりますので、舞台に専念する今年後半の3ヶ月となります。

 これから本格的な寒さがやってまいります。皆様お体お大事になさって下さいませ。それでは劇場でお目にかかりたいと思います。

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