◇2021年5月


 皆様いかがお過ごしでいらっしゃいますか。やっと「素晴らしい5月」が来ると思いましたら、再び感染症が広がって緊急事態宣言となりました。四月大歌舞伎の三部「桜姫東文章」は連日大入りのお客さまでしたが、25日からは公演が中止になりましてお客様方には大変にお迷惑をおかけいたしました。初日以来24日までは大勢のお客様にご来場下さいましたこと、重ね重ね御礼申し上げます。36年振りの片岡仁左衛門さんとの「桜姫東文章」でしたが、仁左衛門さんも連日お元気に舞台をお努めになられておられましたことは、私としても大変嬉しいことでございました。このような厳しい状態になりましても歌舞伎座にご来場下さいましたお客様に改めて感謝申し上げます。


 初夏の自然の素晴らしく胸を打たれます。今年の桜開花宣言は一番早く、また今年の牡丹は4月ではなく、3月25日には開き始めるという不思議な開花でした。「鏡獅子」の歌の中にも「ちょうど二十日草~~~」と言う歌詞が出て参ります。牡丹は咲き始めてから最後の牡丹が終わるまで「二十日間」楽しめるという意味なのでしょう。牡丹の花が毎日どうなっているかなと思って見ていますと、雨の日は花びらを下に向け、風の日は風を避けながら約20日間咲いてくれていました。もちろん最初に咲いた花は萎れてしまいますが、順繰りに二十日間を楽しませてくれる牡丹の心意気を感じるのでした。


 さて、五月に入ってからは緊急事態宣言解除まではしばらく体を休め、六月の「桜姫東文章」下の巻に向かって体調を整えていきたいと思います。


 予防接種も徐々に世の中に広がっていくことでしょう。秋にかけて、いくらかでも光明が見えて来ることを祈る毎日です。いずれも様もどうぞお体に気をつけてこのお過ごし下さいませ。


 追申。今月のYouTubeの映像は、38秒ほどの牡丹の映像を掲載させて頂きます。