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◆2018年7月


皆様、お元気でいらっしゃいますか。梅雨も今年は比較的に早く入りましたが、お天気であったり雨が降ったりでなかなか定まらない気候です。6月には関西で大きな地震がありました。思いもよらないことでした。被災なさった方々に心からお見舞い申し上げます。近年の地震は、関東や東海に有ると言われていましたが、いつ災害が来るのかは油断が出来ないと思う今日この頃です。阪神大震災の時も、関東地震の可能性が大だと言われておりまして、それが阪神になり天災はいつどこに来るかは分からないものです。今後はどこの地区でも気を付けていかなければならないことでもありましょう。

 この6月は、能楽の観世清和さんの『羽衣』の編集、音楽調整をしておりました。また『幽玄』の編集と音楽調整もしていました。その後はイタリアのシチリアに行って参りました。なぜ今回シチリア島だったかということになるのですが、イタリアには度々行っておりまして今回で5回目になります。まず20代後半に1回と、それからヨーロッパの公演の時に1回と、それから鼓童のパリ公演の帰りに1回と、去年アメリカ周りで1回です。シチリアはまだ行った事のない土地でした。『ゴッドファーザー』や『ニューシネマ・パラダイス』など映画のロケ地でもありますので、とても興味があったのです。日本国内の航空会社ですとパリ経由でシチリアのカターニアに飛びます。シチリアの旅は下記のような旅程でした。飛行機でカターニアに降り、タオルミーナ→モッタカマストラ→シラクーサ→カルタジローネ→アグリジェント→シャッカ→トラーパニ→エーリチェ→パンテッレリア→パレルモとシチリアを回りまして、パレルモからロンドン経由で東京に帰って参りました。シチリアの素晴らしい景色を見ながらこの6月を過ごして参りましたが、2500年前、1500年前、1000年前の遺跡を見ているうちにどこに行っても日差しが強くて日焼けをしてしまいました。傘を差したり手をかざしたりして歩くのですが、その照り返しは、本当に南の国だという事を痛感させられます。シチリア島の中で今回とても印象に残ることが有りました。それはシラクーサという街のホテルでのことでした。実は私が泊まった時にそのホテルはまだ完成していない状態で、私達以外は殆ど誰も宿泊していないようでした。「ORTEA PALACE」というホテルなのですが、そこのオーナーさんがいらっしゃって、その頃はご主人もそのホテルに住んでいたのでしょうか、奥様は綺麗にお洒落をしたフランス人でした。私がホテルに着くと私にご夫妻が「挨拶をしたいし、一緒に写真を撮りたい」とおっしゃられたので、記念写真を一緒に撮りました。そして明くる日には「これから僕たちはミラノに行くから、無事にシチリアの旅行を楽しんで下さい・・・この次は僕たちが君を招待するから、また早くここに帰って来なさい・・・それから撮影の仕事らしいが、このホテルの何処ででも撮影していいし、お花などもアレンジしようか・・・」という言葉をかけて下さいました。後から考えてみると私達に挨拶に来てくれたのかな・・・と思ったのですが,久しぶりに本当のオーナーぶりをもっておられる大先輩に逢った気がして、とても優雅な気分になりました。シチリアには、大変由緒ある数々のホテルもありますしリゾートのホテルもありますが、「ORTEA PALACE」は新築したばかりで明るい過ごしやすいホテルでした。シチリアの素晴らしい思い出でもありますので、今回ホームページの表紙にそこで撮った写真をご紹介しようと思います。支配人もローマの人で大変な日本贔屓でした。私が「日本の人が来たら親切にしてね・・・」と言って別れてきたのです。そんなわけでシチリアを回り、帰りにはロンドンでお芝居を観てから帰って来ました。野外の『ピーターパン』と『MACHINAL』などでしたが、『Lady Eats Apple』はオーストラリアのプロダクションでした。何にしてもロンドンの芝居は構成力が見事で勉強させられる事ばかりです。

 7月以降これからはコンサートやトークショーなど多少ございますが、しばらく歌舞伎座の舞台をお休みさせて頂きまして、映像作品などのポスプロダクションという事になります。梅雨が明けますと暑さがやって参ります。皆様どうぞお身体をお大事に梅雨の時期をお過ごし下さいませ。

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