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◆2016年8月

 皆様お元気でいらっしゃいますか。いよいよ夏の盛りとなりました。

 私は7月の初めに丹後文化会館にて舞踊公演を開催させていただきました。丹後を訪れましたのは6月に鼓童の野外コンサートの時が初めてでした。海のある京都と言われる京丹後です。近年では京都市内から丹後まで高速道路が開通し、1時間半ほどで京丹後に着きます。天橋立などで有名ですが、今まで舞台の仕事等も無かったために伺ったことが無かったのです。6月と7月とで2回にわたって伺いましたが、とても静かな日本海を臨む土地柄であることが印象的でした。京都の殆どの海産物はここから送られているのではないかとも思いました。お陰様で丹後の舞踊公演も大変盛況で、この公演を新鮮に思って頂いたことを大変嬉しく思っております。今回の丹後には京都の「和久傳」様とのご縁で初めて伺ったわけでございますが、丹後には「和久傳の森」という食品が自然農法で作られている場所が有り、特に食文化に興味を持っている私には和久傳さんと共感出来る部分が多くあります。「和楽」10月号にも特集が掲載されますが、漁村には独特な雰囲気が有り、また「丹後ちりめん」の名産地としても有名です。私たちがここ数年間、親しみを持ってのちりめんに出会えなかったのですが、丹後には多くのちりめんが有りますし、着物を着る人たちとの流通が盛んになって皆様に手軽に呉服が手に入れば更に着物の文化が広がるのではないかと感じました。またその土地では和紙も作られ、多くの漁村や、絹の職人さんが大勢いらっしゃったとお聞きしました。ゆったりとした時間が流れる京丹後での素晴らしい思い出になりました。 

 その後は鼓童の九州公演に廻ってまいりました。熊本地震もありましたが公演中は余震も少なく4日間の八千代座プレミアムコンサートを無事に済ませることが出来ました。また大分の日田市にも伺いました。大分では「全九州太鼓連合」(源流太鼓)という太鼓グループの長谷川義さんと初めてお目にかかり長谷川さんに「混沌」観ていただき、沢山のお話しが出来たことをとても嬉しく思いました。九州は太鼓の文化が豊富に有り、鼓童にも九州出身のメンバーがおります。これまで和太鼓の本流の修業をなさってこられた方々と、現在私が鼓童で様々な試みをしていることとのお話が出来ましたし、またそれを認めていただけることは本当に嬉しいことでした。近くには湯布院の温泉地がありますが、長谷川さんはその湯布院の地で若者にお稽古を付けておられます。渓谷の野外でお稽古をされているとお聞きしまして、山々木々に囲まれた和太鼓の響きというものを熟知されている方だと思います。実は長谷川さんは鬼太鼓座の創立時に『鬼太鼓座に来ないか?』と誘われたお方で、鼓童とは大変ご縁の深い方でございます。今は無事に九州公演を済ませ東京に帰って参りました。

8月は鼓童35周年記念公演に向かってお稽古を進めさせていただいております。これからの熱い夏、皆様どうぞお身体気を付けてお過ごしくださいませ。

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