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◆2016年7月

皆様お元気でいらっしゃいますか。梅雨の真最中でございます。朝顔や紫陽花が雨の中でも美しく咲いています。

 私は先月に引き続き、京丹後に伺いまして舞踊公演を開催させていただきます。そして中旬には九州地方で、鼓童の公演が控えております。日田市や延岡市では公演前にご挨拶をさせて頂き、八千代座では解説入りプレミアムコンサートを開催させていただきます。7月の後半には佐渡で、鼓童35周年記念公演に向けてのお稽古も有り、8月にはサントリーホールで18日から三日間のコンサートが行われます。皆様お誘い合わせのうえ是非ご来場下さいませ。

 9月まではしばらく舞台から遠ざかっておりましたが、3月から、6月末までの舞台の無い日々が、思いのほか早く過ぎて行くのです。一ヶ月、二ヶ月間が、あっという間に過ぎて、今日になっていました。

 さて、話題は変わりますが、以前から青色ダイオードのお話を続けていますが、また、これからの時代に向かう中で、同じような心配なことがあります。それは今後の芸術の行方です。芸術とは、文学、音楽、絵画、様々な分野がありますが、私たちの舞台作品でもあります。バブル崩壊以降から経済的に困難な時代が續きました。中世には、世界中に裕福なパトロンが存在していましたし、また1980年代は世界中の景気が良く、各企業でも、また個人的にも芸術をサポートしてくれたところが有った時代でした。1990年以降からは、状況が徐々に低下し、お芝居や映画創りで言えば、稽古をする時間と、ものを創る場所さえも十分に確保出来ない厳しい時代になってしまいました。また新劇活動や、小劇場運動なども厳しい時代に入ったと思います。1980年代後半から盛んに行われてきた、大きなエンターテイメントを経営する会社すらも、継続が難しくなっていると聞いています。また色々な街で、古くから続いていた、工房や、工芸品やレストランなども、現代の手軽で安価な商品や食品に押され、戦後何十年と続けられてきた老舗の店なども経営が揺らいでいく時代を迎えてしまった所もあるそうです。

 映像や舞台芸術作品等が、どんどんネットや携帯の液晶画面などで観られる時代になり、音響の良い、視覚の広い大きい空間で作品の心を感じる素晴らしさや、人間同士が直接に会って感じる温かい肌合いなども希薄になってしまっている現代のことを本当に危惧しています。ネットなどで全てが検索出来、情報として何もかもが流れてしまい、心や魂や頭脳の中に思いとしても残らず、全てが情報量だけになってしまうのです。これから将来を担う子供達が、ゲームに熱中して、感情さえも情報化し、現実を見失ってしまわないようになること願うばかりです。

 この夏のお休みの期間に各地方へ伺い、色々な状況を改めて見て来たいとも思います。地方の過疎化、少子化なども更に加速しているとのことです。そんな時代であっても、何とか自分の生きがいを見つけなければならないと考えています。

 これから梅雨が明け気温も上がり暑くなってまいります。皆様くれぐれもお身体お大事にお過ごしくださいませ。

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